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意識が朦朧とした中での出来事のため、
会話の内容や処置の内容・順番などについて、事実と異なる点がある可能性があります。
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前回 ⇩⇩

そして病院に到着し、手術室に着いてからは記憶があるのですが、目を開けると出産した時よりも大勢の助産師さんに囲まれていました。
担架からベッドに移され、それまでずっと横にしていた上半身を起こされると、バケツをひっくり返したような大量の何かが股からザバーッと出ました。
思わず「何か出たー!!」と叫んでしまいました。
これが血なら大変なことだという自覚があって、私は一気にパニックになりました。
気付くと『助産師長』と書かれた名札を付けた助産師さんが私の右手をギュッと握ってくれていました。
不安がる私に「大丈夫だからね」と何度も声を掛けてくれました。
声でさっき電話で話した人だと分かりました。「何か出たー!」
「大丈夫」
「怖いー!」
「大丈夫だから」
「どうしよう、何か出てるー怖いー!」
私はもうパニックになっていました。
不安を口にする度に、助産師長さんがギュッと手を握って大丈夫と声をかけてくれました。
若い男の先生が、周りの助産師さん達に色々と指示を出していました。
妊婦健診や出産の時にも会わなかった、初めて見る先生でした。
バタバタと色んな人が出入りしていました。
その間もずっと助産師長さんは私の手を握ってくれていました。
私はこの時パジャマだったのですが、出産時にも着た産院のピンクのガウンに着替えさせてもらいました。
脱いだ服が血まみれだったようで、どうしようかと相談している声が聞こえました。
先生に、お昼は食べたか聞かれました。
産後の私は、あまり食欲がなく、お昼に軽くパンなどをつまんだ程度でした。
この時恐らく3時か4時頃だったと思います。
それを聞いた先生は「これから麻酔をするんだけど、吐き気が出ることもある薬なので、もしかしたら気持ち悪くなっちゃうかもしれない」と言いました。
嘔吐恐怖症の私は意地でも吐きたくないと思い、できるだけ「気持ち悪くない」と思い込もうとしました。
先生が私の顔を見て唇が真っ白だと言いました。
この時の私はどんな顔だったのか想像もできません。
すっぴん眼鏡で髪もボサボサ、満身創痍、とても酷い顔をしていたと思います。
助産師さんが点滴をしようと準備を始めました。
先生が助産師さんに点滴のパックを温めるように指示を出していました。
私は昔から血管が細く一発で針が入った事はほとんどありません。
出産時にも何度も点滴を失敗されたのですが、この時も何度も失敗されました。
針を指したあとも細い血管を探すためにグリグリされかなり痛かったです。
それを3~4回ほど繰り返され、見かねた助産師長さんが代わってやってくれたのですが、助産師長さんも何度も失敗していました。
どうやら点滴が出来ないと処置が進まないようで焦っている様子でした。
私の右手で助産師長さんが何度も針を抜き差しするのと同時に、待ちかねた先生が私の左手で血管を探し始めました。
病院に着いてから10分以上、血が出ていることに気付いてから1時間近く経っていたと思います。
こんな事してるうちに体から血がなくなって死ぬんじゃないかと、ボーッとした頭で考えていました。
そしてついに、ひたすら無言で血管を探し続けていた先生が、一発で成功してくれました。
それを見た助産師長さんが「先生の入った?入ったね、よし。」と言ってグリグリさせていた針をやっと抜いてくれました。
見た目若いけどさすがお医者さん…てか始めから先生がやってよ…と思いましたが言葉にする元気はありませんでした。
(この時に合計8回ぐらい点滴を失敗されたため、私の両腕は手首から肘にかけて紫の痣だらけになりました。)
横向きになって寝て背中を丸めるように言われ、言われるがまま従いました。
そして「動かないでー」と言われ体を押さえつけられました。
とにかく言われるまま静かにしていると、背中か腰の辺りに何かを刺されました。
この病院で無痛分娩で出産したのですが、その時と麻酔の入れ方が違いました。
(無痛分娩の時はベッドに座った体勢で麻酔をしました。この後で同意書にサインをする時に分かったのですが、この時の麻酔は脊髄くも膜下麻酔というもので、無痛分娩の際に受けた硬膜外麻酔とは麻酔の種類が違ったようでした。)
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無痛分娩のレポはこちらにまとめています。

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そこからの記憶はまた曖昧です。
先生が恐らく導尿するように助産師さんに指示を出していて、それが終わると私の股でカチャカチャと何か処置をしていました。
不安だった私は
「怖いー」
「何で血が止まらないのー」
「どうしてー?」
「怖いー」
と繰り返し口にしていたと思います。
その度に助産師長さんがギュッと手を握ってくれました。
そして、助産師長さんや周りにいる助産師さん皆さんが、揃ってその処置の様子を静かに見守っていました。
しばらくして処置が終わったのか、先生が私の枕元まで来て言いました。
「今縫い直したので血は止まったからね。」
先生の説明によると、どうやら出産した時に裂けて縫合してあった産道の傷が何かが原因で縫合が取れて(?)出血していたようでした。
「どうしてー?どうして取れたのー」
とボーッする意識の中で聞いたのですが、先生は
「さぁ、分かりません。」
「分からないです」
としか言ってくれませんでした。
分からないにしてももっと言い方はないの?と思うぐらいに冷たい言い方でした。
責任が発生するような発言はしないようにと思ってるのかなとこの時感じました。
「でもかなりの出血だったので、来てもらって良かったです。来てなかったら危なかったです。」
と言われました。
そこで初めてやっぱり危ない状況だったんだと知りました。
「裂けていたのがちょうど動脈のところだったんで、血がピューピュー出ていました」
道理で…まさにピューピューという言葉通りの感覚で血が出ていました。
もし家でもう少し様子を見ていたら、もし救急車ではなく病院に言われたまま車で来ようとして手間取りもっと時間がかかっていたら。
それを思うとゾッとしました。
救急車を呼んだことが正しい判断なのかは分かりません。
でも危険だった状態から無事助かった。
この事実だけがそこにはありました。
また、そんなに出血があったのに縫うだけで止まるなんて、人間スゴいなとしみじみ思いました。
「かなり強めに縫っておいたので、痛くなるかもしれません」
と言われました。
後でこの言葉を身に染みて体験することになります。
続く ⇩⇩
