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意識が朦朧とした中での出来事のため、
会話の内容や処置の内容・順番などについて、事実と異なる点がある可能性があります。
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前回 ⇩⇩
そこからかなりの人数の助産師さん達がバタバタと色々な処置をしてくれたのですが、あまり覚えていません。
気持ち悪くなると言われましたがそこまで具合は悪くありませんでした。
気持ち悪くない!と思い込むように心がけたのが良かったのかもしれません。
ただ頭がボーッとして意識が朦朧としていました。
しばらくして、先生がまた私の枕元にやって来ました。
詳しい言葉は覚えていないのですが、かなりの出血があってこのままだと私の体が危険なので輸血をした方がいいという事でした。
輸血には感染症などのリスクがあるとのことで、その説明をしてくれました。
そして輸血するには私の同意が必要ということでした。
ヘモグロビンの値が低くて危険(どう危険なのかも仰っていましたが覚えていません。)なのでとにかく輸血をした方がいいということで、私は同意しました。
その後、今日はこのまま入院して、明日の朝に貧血の具合を確認して大丈夫だったら明日退院になると言われました。
もちろんこんな満身創痍の状態で今すぐ帰れと言われても困ったのですが、でも産まれてまだ1週間しか経っていない赤ちゃんを置いて離れ離れで夜を越さないといけないと思うと、申し訳ないのと情けないのとで泣きそうになりました。
父と母に連絡をしないと…。
母はこの手術室がある階の下の待合室でずっと待ってくれていたようでした。
申し訳ない…。
助産師さんが、下で待っている母に、今日はこのまま入院になるので一度家に戻るようにと言いに行ってくれました。
コロナ禍だったため、付き添いなどは一切出来ない決まりだったのです。
この時、少しずつ息苦しくなってきていました。
喉が詰まっているような感覚で呼吸がしにくかったです。
そろそろ病室に移動できる?と聞かれましたが、まだ意識はボーッとしていて、何より息苦しく、動きたくありませんでした。
それを伝えるとしばらくそのまま休ませてくれました。
先生が様子を見に来てくれました。
まだ唇が白いけどここに運ばれて来た時よりは良くなっているとのことでした。
血が止まったのと点滴のおかげかもしれません。
輸血をしてヘモグロビンの数値が回復したらもっと楽になるからと言われました。
すると、麻酔が効いたこの状態のまま同じ姿勢でいると、足に血栓ができる心配があるということで、助産師さん数人が私の両足のふくらはぎにベルトのようなものを巻きつけて、その上から靴下のようなものを履かせました。
このベルトが一定間隔で足全体を締め付けてきます。
身動きが取れない…。
朦朧とする意識の中でボーっとしていると、一人の美人な助産師さんが私の傍に来て
「大変でしたね…」
と労ってくれました。
優しさに涙が出そうになりました。
「はい…」とだけ返事をしました。
そろそろ病室に移動しようと言われたのですが、まだ息苦しく動けない状態でした。
「息がしずらいです…苦しい…」と言うと、酸素マスクを付けてくれました。
ドラマなどでは何度も見たことがありましたが、まさか自分が付けることになるとは思いませんでした。
冷たいようなスッキリとした空気が肺に届いて、幾分か楽になった気がしました。
ゆっくりと何度も息をしました。
そして「もう動ける?」と聞かれて私は頷きました。
無痛分娩の時のように車椅子で移動かと思ったのですが、横になっているベッドのまま移動しました。
この階には産後のママが過ごす大部屋とナースステーションと分娩室・手術室があるのですが、ベッドのまま何処なのか分からない空間に通されました。
カーテンで隔離され周りが見えないのですが、ナースステーションにいる助産師さんの話し声が微かに聞こえるにので、ナースステーションにほど近い場所のようでした。
腕に点滴のパックやら書類やら色々抱えた1人の助産師さんがやってきて、私を担当して下さるということでご挨拶してくれました。
テキパキと点滴などの準備をしながら
「大変でしたね、頑張りましたね」
と何度も優しく声をかけてくれました。
それを聞いて、それまで我慢してきたものが一気に込み上げてきて、ここに到着した時のあのバケツをひっくり返したような大量な出血を思い出し、思わず泣いてしまいました。
私は泣きながら
「はい…怖かったです…ビックリしましたー…」
と言いました。
それを見て
「うん、うん、怖かったですよね、大変でしたね」
と慰めてくれました。
そして書類の説明を受けました。
先程受けた麻酔の同意書、入院の書類、輸血の同意書などなど、かなりの枚数がありましたが、まだ起き上がれないのでサインは退院の時でいいとのことでした。
そして輸血を始めました。
助産師さんからも説明があり、拒否反応で熱が出たり気分が悪くなる可能性があるとのことでした。
「何かあったらすぐこのボタンを押してくださいね!こまめに様子を見に来ますからね!」
と言って私の右手にナースボタンを右手に握らせてくれました。
続く ⇩⇩