妊娠すると多くの妊婦さんが情緒不安定になると言われています。
その原因は、ホルモンバランスの崩れもありますし、妊娠・出産への不安や恐怖なども影響しています。
なので、今までなら受け流してくれた冗談や、旦那さんが何気なく発した一言に、奥さんが深く傷ついてしまったり怒り出してしまうなんてことも。
旦那さんは奥さんの突然の変化に戸惑うかもしれませんが、戸惑っているのは奥さんも同じです。
自分の気持ちとは関係なく段々と変化していく体や体調に不安やストレスを抱えているのです。
旦那さんはそんな奥さんの変化を理解し、寄り添ってあげることが必要です。
思わぬ一言で喧嘩とならないよう、言葉選びには気を付けましょう。
ここでは、旦那さんが言ってしまいがちな地雷フレーズをまとめました。
いずれも言葉にすると喧嘩の発端となる可能性が高いので、口にしないよう注意しましょう。
旦那さんが絶対に言ってはいけない地雷フレーズ
「つわり大げさ」
つわりは個人差がとても大きいもの!
他の妊婦さんが平気だからといって奥さんもそうだとは限りません。
つわりは他の人と比べるものではないのです。
男性には分からないかもしれませんが、つわりは旦那さんの想像の何倍もつらいです。
少し休憩したからといって治まるものではなく、人によりますが1日中症状に苦しむこともあります。
そしてそんなツラい日々がいつ終わるのかは誰にも分からないのです。
つわりに苦しんでいる奥さんは、終わらないトンネルに入ってしまったような絶望に襲われているのです。
(つわりは一般的に妊娠5週目頃から始まり胎盤が出来上がる15週頃に治まる人が多いですが、これも個人差が激しく、産まれるまで続く人や、1度収まっても臨月にまた始まる人まで様々です。)
こんなに苦しんでいる奥さんに、大げさだなんて口が裂けても言ってはいけません。
「なんか太ったね」
まず大前提に、お腹が大きくなった=太ったと解釈するのは大間違いです。
体の中にいる大切な命は日に日に成長しているのです。
大きくなって当たり前です。
また、たとえお腹以外が太くなっていても、それは皮下脂肪をつけてお腹の赤ちゃんを守ろうとしたり、出産及び産後に備えてエネルギーを蓄えようとするごく自然なものです。
不摂生なんかのせいではありません。
そもそも妊婦さんの体重管理はとても大変。
赤ちゃんのために太り過ぎても瘦せすぎてもいけないのです。
しかし、日に日に重くなっていく体と日々変化する体調のせいで外出したくても出来ない人もいますし、つらいつわりを乗り越えてやっと食べたいものを食べられるようになってついつい食べ過ぎてしまったり。
妊婦さんは体重に関してとてもナイーブになっています。
なので、もし奥さんが食べ過ぎや運動不足で太り気味の場合、ほとんどの割合で奥さんはそのことを自覚して気にしています。
そんな時に旦那さんに「太った」と言われて傷つかない人はいません。
太った事実を指摘するのではなく、さりげなく散歩に誘ったり食生活を一緒に考えてみたりと、一緒に乗り越える姿勢を見せましょう。
私の場合、元から下半身がガッチリした体型なのですが、妊娠すると更に肉が付き、かなりムチムチになりました。
そんなある日黒いマタニティ用のパンツを履いていると旦那に「レスラーかよ」と言われ泣きました。
言う本人は冗談のつもりでも妊娠中の奥さんは体型関係のジョークは笑えませんので、もし思っても絶対に口にしない方がいいです。
「食べ過ぎじゃない?」
妊婦さんは食事にもナイーブになっています。
妊娠中は赤ちゃんへの栄養を考え、好きな物を好きなだけ食べられず、大きなストレスとなっています。
もし奥さんが明らかに食べ過ぎている時、奥さんも自分で分かっています。
分かっていて我慢できない時があるのです。
例えば、妊娠初期はつわりで満足に食事を摂れなくなる方も多く、やっとの思いでつわりを乗り切ったら反動で食欲が増してしまう方もいるでしょう。
また逆に「食べづわり」といって胃に何かが入っていないと吐き気に襲われる人もいます。
妊娠中の様々なストレスからついつい食べ過ぎてしまう事もあるでしょう。
そんな時「食べ過ぎ」なんて言ったら「そんなの分かってるわ!」と奥さんを怒らせるだけです。
よほどの量でない場合は奥さんの好きなようにさせてあげた方がいいです。
もし明らかに過食気味の場合は、食べ過ぎを注意するのではなく、奥さんの状況を理解し、映画や読書など他のストレス発散方法を提案したり、太りづらい食べ物を勧めてみるといいでしょう。
「休めていいなー」
奥さんはサボりたくて休んでいる訳ではありません。
妊娠中は体も重くなりますし、内臓が赤ちゃんに圧迫されて常に苦しく、貧血も起こしやすく、今までのように自由に動けずかなりの疲労が溜まっています。
そこで無理をするとお腹の赤ちゃんにもよくありません。
お腹の赤ちゃんを守ることができるのはママだけ。
そのため、赤ちゃんのために、何よりも自分の体を優先しないといけない時があるのです。
自分の体を大切にすることがお腹の赤ちゃんを守ることに繋がるのです。
ただ家でゴロゴロしているのではないことを理解し、体調を気遣ってあげましょう。
「歩くの遅いなー」
ふと思ったことを口に出してしまうのでしょうが、妊娠中は体が重くなって今まで通りには動けないのです。
特に妊娠後期になると、大きくなったお腹を支えるために腰が痛くなり、骨盤が開いて足の付け根なども痛みます。
また歩いているとすぐに息が上がり、お腹も頻繁に張ります。
更には大きなお腹で足元が見えずらくなっていて転びやすくもなっています。
ゆっくり歩かないと危険なのです。
それなのに歩くのが遅いなんて言ったら、奥さんの状態を分かっていないと認めているも当然。
絶対に言ってはいけません。
何も言わずに奥さんのペースに合わせて歩きましょう。
また、こまめに立ち止まって小休止を取ってあげると奥さんは助かります。
「動かないと太るよ」
妊娠中は体が重くなって思うように動けません。
また体調も不安定になりがちで、昨日元気に動けたのに今日は気持ち悪いなんてこともしょっちゅう。
動きたくても妊娠前のようにはいかないのです。
自由に動けなくなって一番もどかしさを感じているのは妊婦さん本人。
もちろん適度な運動が必要なのは本人も分かっています。
それでも動けない日があるのです。
そんな奥さんに対して「動け」と言うのではなく、まず体調を確認し、具合が良さそうであれば一緒に散歩に行こうと誘ってみるなどしてみましょう。
妊娠中は突然の体調不良も起きかねませんので、旦那さんが一緒だと奥さんも安心です。
「寝過ぎじゃない?」
妊娠中は女性ホルモンが原因でとにかく眠くなります。
サボりたくて寝ているのではないんです。
眠気のピークは妊娠初期といわれていますが、出産するまで続いたという人もいて様々。
また妊娠中期以降は貧血や重い体を支える事による疲労などでも眠気が強くなります。
旦那さんも仕事で疲れたら早く家に帰って寝たいですよね?
奥さんはお腹の中で命を育てるという大仕事を一日中行っているんです。
それはとても疲れることです。
なので、例え奥さんがいつもよりたくさん寝ていても、「寝過ぎ」と咎めるのではなく、「頑張ってお腹で赤ちゃんを育ててくれてるんだ」と思い寝かせてあげましょう。
「俺と体重ほぼ一緒じゃん」
妊娠中の体重増加の目安は、妊娠前のBMIによって決まります。
なので個人差はありますが、普通体型での体重増加目安は10~13kg。
場合によっては旦那さんの体重近くまで増える奥さんもいるかもしれません。
ですが、ただ太っているのではないのです。
お腹に赤ちゃんがいるのです。
体重が増えるのは当然です。
それを茶化して本人に言うのは絶対にやめましょう。
妊娠中の体重管理は本当に大変なものなのです。
体重をいじるのは御法度だと思って下さい。
「産まれたら飲みに行けないから今のうちに沢山飲みに行ってもいいよね」
気持ちは分かりますが、奥さんは妊娠が分かった段階でお酒が飲めないのです。
我慢している奥さんの前でお酒を飲むと宣言することは火に油を注ぎます。
そして、このように産まれたら飲みに行けないからと言う旦那さんは、私の個人的な感覚ですが、ほぼ確実に産まれてからも飲みに行きます。
妊娠中でお酒を我慢している奥さんの前で飲みに行く回数を減らせない人が、産まれてから飲みに行かない訳がありません。
(繰り返しますが、あくまで私の個人的な感覚です。)
産後にお酒を控える旦那さんも、もちろんいるかと思います。
ですがそのような方は奥さんの事を考えてそもそもこんな発言はしないと思いうのです。
何も奥さんは全く飲みに行くなとは思っていないはずです。
たまには息抜きで飲みに行きたくなることも分かっています。
なので旦那さんも同じように奥さんの気持ちを分かってあげましょう。
飲みたくても飲みに行けず、お酒を楽しんでいる旦那さんの帰りを大きなお腹を抱えて待ってくれているのです。
そんな奥さんに対して、日ごろから感謝と労いの気持ちを持って接していれば、息抜きぐらいの飲み会ならとやかく言われないはずです。
お互いの気持ちを理解し、尊重し合って過ごしていきましょう。
尚、隠れて飲むのはやめましょう。
絶対にバレます。
「俺の方が大変なんだよ」
旦那さんが仕事を一生懸命がんばってくれている事は奥さんも分かっています。
でもそれと同時に奥さんもお腹の中で大切な命を育てるという大仕事をこなしているのです。
なのでどちらが大変という考えは喧嘩に発展する恐れがありますのでやめましょう。
2人ともそれぞれ頑張っているのですから、お互いに認め合い、支え合っていく関係の方が仲良くやっていけるはずです。
「両親学級めんどくさい」
赤ちゃん関係で「めんどくさい」という発言は決してしないで下さい。
どうせ奥さんが赤ちゃんの面倒を見るんだから自分は関係ないなんて思っているなら、それは間違いです。
たとえ実際は旦那さんより奥さんの方がたくさんお世話をするにしても、お世話の仕方ぐらい分かっていないと無責任と思われてしまいかねません。
また産後一ヶ月間は母体は交通事故に遭遇した程のダメージを負っています。
思うように赤ちゃんのお世話を見れないことも多いです。
そんな時、どんなお世話をどのようにするのか旦那さんが分かっていないと、いざという時困ることになります。
また、両親学級に参加してお世話の仕方を覚えることは、奥さんが産後どれだけ大変かを理解することに繋がりますし、父親としての自覚を持てる大事な機会です。
仕事疲れなどで面倒だと思っても極力参加しましょう。
またどうしても仕事で参加できない場合は、後日内容をちゃんと聞いて理解しておきましょう。
積極的な姿勢を見せると奥さんも嬉しく思いますよ。
「何でもいい」
妊娠中も赤ちゃんについての様々なイベントがあります。
例えば、産院はどこにするか、赤ちゃんが出来たことをいつ報告するか、戌の日の御参りはどうするかetc…..。
それらを全部、「何でもいい」で済ませていませんか?
旦那さんは良かれという思いから奥さんの良いようにという意味で言っているのかもしれませんが、奥さんからすると全て自分に押し付けられていると感じます。
2人の赤ちゃんの事なのですから、奥さんは旦那さんと2人で決めたいと思っています。
「何でもいい」は思いやりではなく無責任とも受け取られかねません。
奥さんに任せきりにしないで旦那さんも一緒に考えましょう。
「(育児用品は)君が使うんだから君にまかせるよ」
これも同じく、2人の赤ちゃんの事なのですから、奥さんは旦那さんと2人で決めたいと思っています。
奥さんの好きなもので良いというつもりで「任せる」と言っても、言われた奥さん側からしたら「私1人で育児をやれってこと?」と孤独に感じてしまいます。
育児用品を準備する際は、一緒に店舗に見に行ったり、奥さんが選んだ幾つかの候補の中から意見を出し合って決めるなど、時間を見つけて2人で一緒に赤ちゃんを迎える準備をしましょう。
それに、例えばベビーカーや抱っこ紐など、意外と旦那さんもたくさん使う事になる育児用品もあります。
買う時にサイズや使い勝手などをよく確認した方が後悔しないで済みますよ!
まとめ
以上、旦那さんが言ってしまいがちな地雷フレーズでした。
これ以外にも、ホルモンバランスの崩れや妊娠・出産への不安などから情緒不安定になっている奥さんは、旦那さんのふとした発言に傷ついてしまうことがあります。
旦那さんは奥さんのそんな変化を理解して、出来るだけ奥さんに寄り添った発言を意識し、喧嘩を未然に防ぎましょう。